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★森永 のり子さん★
Noriko Morinaga
森永のり子さんは真珠の仕入れからジュエリーデザイン、制作、販売までをこなす、いわば真珠のプロフェッショナル。その作品のファンは『それいゆ』会員の中にも多数存在する。
2ヶ月前に会社を設立し、折しも新しい『それいゆ』のスタートと時を同じくして、社長としての第一歩を歩み始めた森永さんに、今後の意気込みや真珠に対する思いを伺った。


■ 真珠のスペシャリストを育てたい
 法人登記のために訪れた法務局からの帰り道、ふと「ビルの屋上に、何の柵もなく、つかまるところもなく、ひとりポンっと置かれたように感じた」という森永さん。
「風が吹いて飛ばされそうになっても、何が起こっても、自分で対処しなきゃいけないんだなって実感しました。と同時に、こうなったらやるしかないと…。だって、社長になったからと言って次の日から何かが変わるわけでもなく、自分が変えていくしかないんですから」と語る。
 会社を設立したことで社会的信用を得るとともに大きな責任も背負うことになった。その自覚ゆえだろうか。知人から「経営者の顔になった」と指摘されたとのこと。
 だが森永さんは売り上げを伸ばして会社の規模を大きくすることよりも、「真珠屋」であり続けることに重きをおいている。宝飾業界ではダイヤモンドのプロを「ダイヤ屋」、ルビーやエメラルドのプロを「色石(いろいし)屋」と呼ぶそうだが、自らを「会社経営者」や「ジュエリーデザイナー」ではなく「真珠屋」と称するところに、森永さんの真珠に対する思いが秘められているのだ。
「できるだけ多くの人に、真珠のことを理解してもらい、好きになってもらい、そして身に付けてもらう。それが私の仕事だと思っています。単なるデザイナーではなく真珠のコーディネーターでありたい」
「真珠にはダイヤモンドの4C(CUT・Carat・Color・Clarity)にあたるような品質評価基準も確立していませんし、知識を習得するための学校もほとんどないんです。だからスペシャリストがなかなか育たないし、その存在もほとんど知られていない。ですから将来的には、真珠のことをきちんと理解できて見極められる目を持った人材を、育て知らしめていくようなビジネスができればと思っています」

■ 日本の真珠がなくなる?
 森永さんが「真珠屋」としての姿勢を持ち続けようとする背景にはいくつかの理由がある。そのひとつが国産真珠絶滅に対する危機感だ。
「漁業・養殖業生産統計(農林水産省)」によれば、全国の養殖真珠収穫量は1993年に73トンだったものが2003年には30トンと激減している。これは母貝であるアコヤ貝の大量死や質の低下、海外の格安真珠の台頭などが要因とされるが、森永さん曰く「社会全体が目先の利益ばかりを追い続けたツケが回ってきている」のだという。
「真珠は生き物なので、全く同じ形、全く同じ色の物は元来存在しないんです。ところが脱色によって人工的に色を揃え、丸いものだけを選別して流通させてしまったために、『白くて丸ければ良質』という風潮が定着し、真珠の『巻き』はそれほど重要視されなくなってしまいました。『巻き』は真珠の芯となる核を取り巻く真珠層の巻きつきのことで、薄いものは真珠本来の美しさに欠けるのですが、厚くしようとすればするほど年月がかかりコストが増します。たとえ『巻き』が薄くても『白くて丸い』真珠を大量生産し続けたために、結果としてこういう事態を招いているんです。これは社会の縮図ではないかと思います」
 真珠の画一化は消費者の見る目を衰えさせ、劣悪品の流通を促した。と同時に大量生産型システムの導入は、自然を相手にする仕事のどこかに歪みを生じさせたのではないかという。
「このままでは真珠を養殖する海がなくなってしまい、アコヤ真珠が日本のものではなくなってしまいます。真珠は日本が世界に誇れる大切な特産宝石。職人と言われる人々がコツコツと築き上げてきた和の文化を守りたい」

カジュアルシーンにも真珠を
「不思議なもので生まれ育った地域で獲れたものがその人に一番似合うんです」という森永さん。だからこそ日本で育てられた日本の真珠をもっと身に付けてもらいたいと考え、とかく冠婚葬祭用と思われがちの真珠をデザインによってカジュアルに演出し、普段の生活にも気軽に真珠を取り入れる「デイリーユース」を提案している。
「皮を使ってみたり、シルバーと組み合わせたり…。いろんなシーンに使えるジュエリーを作っていきたいと思っています。そして、そんな私の作品を見た人に楽しいとかおもしろいと感じてもらうところから、少しずつ真珠の深いところを知ってもらえれば嬉しい。そして身につけた人が幸せを感じてくださればもっと嬉しい」

 森永さんは現在、通販番組「ショップチャンネル」で12月20日から紹介されるジュエリーの制作に大わらわだ。2時間枠に約18アイテムを出品する予定だとのこと。その他、展示会のスケジュールなどは森永さんのホームページ「Pearl Angel」で確認できる。


◎京都の南大門にて
「時間ができるとよく京都に行きます。南大門に上がり、半日くらいボーっと雲の形の変化を眺めていることが大好きです。空の色が真珠の色ともリンクして、いろいろなことを考えているとあっという間に時間が過ぎていきます」という森永さん。気が向いたら日帰りでも京都に行くのだそう。

◎ネーミングの秘密@
森永さんの本名は「森永典子」。「典子」では少し硬く真珠のイメージではない、との理由から、甘いムード漂う「のり子」を使うようになったとか。
では「Pearl Angel」は?「Pearl」はもちろん真珠。「Angel」は苗字の「森永」から連想して付けたそう


◎ネーミングの秘密A
森永さんが飼っている、うさぎの名前は「うさぴょん」。当初は「さくら」という名前にしようと思って購入、しばらくたってからオスだったことに気づき、仕方なく「うさぎ」と呼び始めるも、あまりにも可哀想だとのことで、この名前に落ち着いたとか。卯年ということもあり「わがままなところが私にそっくり」だそうです。


オープンしたばかりの新しい事務所にお邪魔してのインタビュー。建物自体も完成したばかりとのことで、新築独特の心地よい匂いが残る素敵なお部屋でした。
帰りには真珠のネックレスのお土産までいただいてしまい、その心配りには感動!でした。

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